主要な米国気候報告書を掲載していたウェブサイトが閉鎖
(apnews.com)- 米国の気候評価報告書を提供していた複数の公式ウェブサイトが突然消滅
- 科学者たちは、この評価報告書が政策および公共の安全にとって非常に重要な根拠であると強調
- ホワイトハウスは関連情報をNASAに保存すると言及したが、具体的なアクセス方法など追加説明はなし
- 過去の報告書は一部NOAAライブラリなどでアクセス可能だが、NASAの公式保存先はリンクが機能していない状態
- 専門家たちは今回の事態を科学インフラの深刻な毀損であり、国民の情報アクセス性と安全を脅かすものだと懸念を表明
主要な米国気候報告書サイト閉鎖の状況
米国で法的に義務付けられた国立気候評価報告書を提供していたウェブサイトが、最近突然全面閉鎖された。これにより各州政府、地方自治体、一般市民のいずれもが、気候変動によって自分たちの地域にどのような影響が及ぶのかを容易に把握しにくい状況が生じている
ウェブサイト閉鎖と政府の対応
- 米国の全国気候評価およびU.S. Global Change Research Programなどのサイトが7月1日と2日に全面閉鎖
- サイトには代替経路や案内メッセージも提供されていない
- ホワイトハウス側は、法令順守のため関連情報をNASA内に保管する予定だと明らかにしたが、具体的な詳細は示していない
- NASAとNOAA(米国海洋大気庁)も、関連情報の提供要請や問い合わせに回答していない
専門家の見解と問題点
- University of ArizonaのKathy Jacobs教授(2014年評価の調整役)は、National Climate Assessmentが米国で最も信頼できる気候情報源であり、意思決定に不可欠だと強調
- このような公開情報へのアクセス制限が、事実の歪曲やリスク増大につながり得ると指摘
- John Holdren(オバマ前大統領の科学顧問)も、過去にこの報告書が州知事、市長、公共政策担当者らによるインフラ計画、病院の発電機設置場所の選定など、実際の重要な判断に直接役立っていたと述べた
- Texas TechのKatharine Hayhoeらは、この報告書が税金で作成された公共資料であり、あらゆるレベルの政府機関が参照する中核情報だと強調
過去の報告書およびデータアクセス状況
- 一部の過去報告書はNOAAのライブラリなどで収集可能
- NASAのopen science data repositoryにも旧サイトへつながるリンクがあるが、その大半は**デッドリンク(404などのエラー)**状態
科学的・政策的含意
- 2023年に発行された最新報告書には、インタラクティブ地図などの現代的な機能が含まれており、地域単位でリスクと影響を把握できた
- 気候変動があらゆる地域の安全、健康、生計に多様な形で影響し、マイノリティやネイティブアメリカンのコミュニティが特に不均衡なリスクにさらされていることを指摘
- 1990年制定のGlobal Change Research Actは、4年ごとの公式評価提出を法的に求めている
最近の行政構造の変化と追加措置
- トランプ政権時代に、次回評価の助言執筆者のボランティア契約が終了し、営利企業とのウェブサイト運営契約も取り消された
- NOAAの代表的な気候情報ウェブページであるclimate.gov自体も、最近ほかのNOAAサイトへリダイレクトされた
- NOAA・NASAによる一般向けのソーシャルメディアやブログなども縮小または削除されている
専門家の評価と社会的懸念
- John Holdrenは、こうした一連の科学インフラの崩壊現象が米国全体に悪影響を及ぼし、体系的な解体に等しいと強調
- HayhoeとJacobsは、米国気候評価報告書の利点は、国連などの国際報告書よりもさらに地域別で詳細な情報を提供する点にあると説明
- 報告書の内容は、ほかの科学者によるピアレビュー、National Academy of Sciences、政府機関、一般市民による検証まで経ており、信頼性が高い
- 情報隠蔽の試みは科学検閲であり、気候変動への対応力低下を招き得る
- Hayhoeは「前方を見なければ安全に運転できないのに、この情報へのアクセスを塞ぐのはフロントガラスをペンキで塗りつぶすようなものだ」とたとえた
結論と示唆
- 今回の出来事は、科学および政策情報へのアクセス性が国家インフラと安全にどれほど重要か、そしてそのアクセス制限が現実のリスクにつながり得ることを端的に示す事例である
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