- Airbusは、KratosのValkyrie戦闘ドローン2機をベースにした欧州型ミッションシステム搭載無人戦闘機を準備中
- 当該機体には**MARS(Multiplatform Autonomous Reconfigurable and Secure)**システムが搭載され、AIベースの「MindShare」ソフトウェアがパイロットの役割と任務グループの調整機能を担う
- Valkyrieは全長9.1m、航続距離5,000km以上、最大離陸重量約3トンで、2026年に欧州型の初試験飛行が予定されている
- AirbusとKratosは、欧州の主権技術の統合と低コスト・多任務運用性を強調し、Eurofighterとの**有人・無人協調作戦(MUM-T)**の支援を目標としている
- このプロジェクトは、ドイツ空軍の戦力近代化と欧州防衛産業の自立強化のための重要な段階と評価されている
AirbusのUCCA開発概要
- Airbusは、**ドイツ空軍に2029年までに運用可能な無人協調戦闘機システム(UCCA)**を提供するため、開発を進めている
- ドイツ・ミュンヘン近郊のManchingでKratosから引き継いだValkyrie 2機を準備中で、欧州型ミッションシステムを搭載して今年中に初飛行を予定
- AirbusとKratosは、統合・任務対応化・生産・納入の全工程で協力している
MARSシステムとAI「MindShare」
- UCCAにはAirbusの**MARS(Multiplatform Autonomous Reconfigurable and Secure)**システムが搭載される
- MARSは**AI支援ソフトウェア「MindShare」**を含み、パイロットの役割を代替し、有人・無人プラットフォーム間の任務調整を行う
- このシステムは欧州の主権技術として開発され、外部依存なしに独立運用が可能
AirbusとKratosの協力
- Airbusドイツ担当のMarco Gumbrecht氏は、「Kratos ValkyrieとMARSシステムの組み合わせ」により、ドイツと欧州が必要とする実証済みの無人戦闘機能力を迅速かつ経済的に確保できると述べた
- 目標は、適時な戦力提供、主権技術の確保、合理的なコストの維持
- Kratos無人システム部門社長のSteve Fendley氏は、**「ValkyrieとMARSを統合したUCCA」**は多任務遂行が可能な低コストシステムで、**単独運用・UASチーム・有人無人協調作戦(MUM-T)**のすべてを支援すると説明
- AirbusとKratosの技術・生産能力を組み合わせることで、「affordable mass」概念による戦力運用の実現が可能
Eurofighter連携と戦力向上
- AirbusとRafaelは、Eurofighter戦闘機にLitening 5照準ポッドの接続機能を追加し、**指揮機(Command Aircraft)**としての役割を強化している
- 小規模なアビオニクス更新とあわせて、**戦闘における致死性(lethality)**の向上が期待される
Valkyrieの技術仕様と運用役割
- 全長9.1m、翼幅8.2m、航続距離5,000km以上、最大離陸重量約3トン、最大高度45,000フィート
- 2019年に米国で初飛行を完了し、その後は定期運用中
- Airbus型Valkyrieの初飛行は2026年を予定
- 完全自律、またはEurofighterの指揮下で運用可能で、パイロットにとって危険度の高い任務の遂行が可能
- **物理的(kinetic)・非物理的(non-kinetic)**任務の両方に対応可能
- ドイツ空軍向け初期モデルは、定時かつ正確な戦力提供に重点を置いている
要約
- Airbusは**Kratosと協力して欧州型無人戦闘機体系(UCCA)**を開発中で、
AIベースの自律任務システムとEurofighterとの連携運用を通じて、ドイツ空軍の次世代戦力確保を進めている
1件のコメント
Hacker Newsのコメント
興味深い技術がいくつもひとまとめになっている
第一に、このシステムは “loyal wingman” の概念で、有人戦闘機の近くで命令を受けて動くが、遠隔操縦ではない
第二に、無人プラットフォームの Kratos Valkyrie は米海兵隊のSEAD(防空網制圧)任務にも使われている
第三に、AirbusのMARSシステム はFCAS(欧州第6世代戦闘機プログラム)向けのオープンアーキテクチャで、複数プラットフォーム間での データ・機能共有 を最大化しようとする試みだ
このプログラムが成功すれば、MARSが他社のハードウェアやソフトウェア上でも柔軟に動作できることを示すことになる
まるで BlackBerry Storm や Blockbuster Online のように、旧世代企業が新技術に後手で反応した事例のようだ
技術転換は、こうした中間段階の製品が市場を見つけるまで待ってはくれない
西側の軍事支出は依然として 高価な兵器 中心で流れているように見える
しかしウクライナとイランの事例を見ると、結局は 消耗戦 になり、高価な兵器は消耗が早すぎるか維持費が負担しきれない
ウクライナの事例を見ると、ロシアは今も 滑空爆弾 で大きな被害を与えている
欧州はこうした状況を避けるために、精密かつ長距離打撃が可能な 高度な戦力 を必要としている
イランのケースでも同様で、安価な兵器では米国やイスラエルの空爆能力を防げなかった
結局、欧州がロシアを短期間で圧倒するには、高精度かつ高密度の打撃能力が不可欠だ
戦争が長引いた瞬間、すでに負けたも同然だ
たとえば ドイツ軍は2029年までにドローンを8,000機に拡大する予定で、Helsing はすでにデカコーン(企業価値100億ドル超)に成長している
そうでなければ、旧式兵器の在庫を積み上げるだけになる
こうした戦力はまだ完全には置き換えられていない
人員不足と徴兵制への強い反対世論があるのに意思決定は遅く、保守性、ロビー活動、官僚主義 が革新を妨げている
危機のときだけ動く典型的なパターンだ
“uncrewed” を “unscrewed” と読み間違えて、一瞬 ネジのない飛行機 の話かと思った
パイロットのいない未来は想像できるが、ネジのない飛行機はもっと奇妙だ
関連説明でも「飛行機は弁護士ではなくエンジニアの作品だからだ」とされている
無人機なら、こうした実験をより速いサイクルで繰り返せそうだ
ウクライナとイランの事例は、低価格ドローン戦争 が未来であることを示している
欧州や米国の遅い調達体制では対応が難しい
低価格ドローンはセンサーや電力システムが弱く、応答性も低い
こうした高度な無人機は、むしろ 低価格ドローンの群れを指揮するハブ の役割を果たせる
大国の目標は安価な装備を積み上げることではなく、技術的優位 を確保することだ
戦争になれば生産はすぐ増やせるが、技術は一朝一夕には作れない
ロシアが初期に 制空権 を確保していれば戦況は違っていただろうし、
イランのケースでも米国とイスラエルが航空優勢を握っていたが、地上軍の投入はなかった
実際に主要な打撃を担ったのは 弾道ミサイル で、安価なドローンではなかった
現在の 航空・海上ドローン は既存戦力よりはるかに高い コストパフォーマンス を示している
次の段階は 地上戦闘ロボット になりそうだ
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MARSシステムの AI頭脳 MindShare がパイロットの役割を代替し、複数の機体を同時に調整するという説明を見て、
「これは Skynet v0.1 では?」と思った
Anduril の低価格対ドローン技術はウクライナや中東で成果が出ていない
個人的には Airbus のほうが信頼できる
とくに Shahed型ドローン を防ぐのに役立つ
“uncrewed combat aircraft” は結局のところ 自律型ウィングマンドローン の概念だ
軍用ドローンの自然な進化段階に見える
AirbusのGhost Bat バージョンのような感じだ
Top Gun: Maverick はある程度、現実を予見していたことになる