NHS職員、Palantirの倫理問題を理由にFDPの利用を拒否
(freevacy.com)- 英国のNHS職員の間で、米国企業Palantirを巡る倫理的論争を理由に**Federated Data Platform(FDP)**の利用を拒否する事例が広がっている
- Palantirは、NHSの中核データを統合管理する3億3000万ポンド規模の契約を受注しており、患者情報や待機者リストなどを扱う
- 職員たちは、Palantirの防衛分野への関与と経営陣の政治的志向に反発し、ソフトウェアの利用拒否、業務の遅延、代替ツールの使用で対応している
- それでも205の病院トラストのうち123組織がFDPを利用しており、プロジェクトは予算およびスケジュール遵守評価で高得点を記録している
- この論争は、公共医療データの倫理性と信頼性の確保という問題を浮き彫りにし、国家医療データの管理主体を巡る社会的対立を示している
NHS職員によるFDP利用拒否とPalantirを巡る倫理論争
- 英国NHS職員の間で、米国企業Palantirの倫理的問題を理由に**Federated Data Platform(FDP)**の利用を拒否する事例が増えている
- Palantirは2023年、NHSの運営データを統合管理するための3億3000万ポンド規模の契約を受注した
- このプラットフォームは、患者情報や待機者リストなどNHSの中核データを統合管理するシステムである
- Palantirの米国防衛分野への関与と経営陣の政治的志向が論争の中心となっており、NHS内部で協力への拒否感が広がっている
- 一部の職員は公式にソフトウェアの利用を拒否したり、利用を強いられた場合には意図的に業務速度を落とす方法で抵抗したりしている
- 別の職員たちは代替ツールを使用してFDPを回避している
- それでもイングランドの205の病院トラストのうち123組織がFDPを利用しており、プロジェクトは予算およびスケジュール遵守評価で高い点数を得ている
- 現場の抵抗にもかかわらず、システム導入は一定程度進んでいる
- 国会議員と医療労組は、政府に対しPalantirをNHSシステムから排除するよう求めている
- 政府は契約解除条項の発動可能性について法的助言を求めたとされる
- Palantir英国副会長Louis Mosleyは、こうした批判はイデオロギーに動機づけられた攻撃であり、患者治療に害を及ぼしかねないと反論した
- 今回の事態は、国家医療データ管理の適切な主体を巡る社会的分断を浮き彫りにし、公共データの倫理性と信頼性の確保が中核的な争点として浮上している
1件のコメント
Hacker Newsのコメント
米国のテック企業が2023年に3億3,000万ポンド規模の契約を獲得したと聞いた。
患者情報や待機リストのような運用データを集める仕事にこれほど大きな金額が付くのは理解しがたい。
こうした契約がどう承認されたのか、調査が必要だと思う。
NHSの2024/25年予算は約2,420億ポンドなので、3億3,000万は全体規模から見れば小さい額だ。
ちなみにキャピタルゲイン税の総収入は2,000万ポンド程度しかない。
関連記事は Adam Smith Instituteブログ と NHS公式文書 で読める。
人々はいつも「米国式 vs NHS」という偽の二分法で語るが、ほかのモデルも存在する。
NHSは官僚主義が強く、契約構造も非効率だ。
実際には5年間で半額の契約として締結され、10年まで延長可能だ。
もしこのシステムがきちんと機能するなら、10倍払っても惜しくないと思う。
だがそのおかげで、どの病院に行っても自分の健康情報をすぐ確認できるという「便利さ」を享受している。
公共機関がソフトウェアライセンス、コンサルティング、実装まで1社にすべて任せる構造は、最初から間違った考えに思える。
まともな開発者はNHSで働きたがらず、実際に働いていた人たちもレベルが低かった。
GP診療所はいまでも患者が転居する際に紙のファイルを郵送している。
NHSアプリは良いが、自分の記録の90%以上は空白だ。
以前は看護師や医師が薬を選ぶとき、オートコンプリートのないドロップダウン一覧をA-Zでスクロールしなければならなかった。
こういう状況なら、NHSをIT暗黒時代から引き上げられる有能な外部企業を入れるのは正しいと思う。
データセキュリティへの懸念はあるが、むしろデータ漏えいのない大企業に任せるほうがましだと思う。
契約構造によっては終了条項が有利になることもあり、SaaS収益で実装費を補助できることもある。
「実装会社 vs ソフトウェア会社」の責任の押し付け合いという問題もなくなる。
Palantirのシステムが外部コンサルタントに簡単に扱える構造なのかも不明だ。
Palantirの技術は実際にかなりよく動くほうだと思う。
外国企業との契約には抵抗があるが、ほとんどのシステムがまともに動かない現実を見ると、これは例外かもしれない。
Palantirブランドはすでに有害なイメージが強く、実際のソフトウェア品質も良くないという評価が多い。
大げさなマーケティングの割に実質的な成果が乏しい。
特別な技術的参入障壁はなさそうで、むしろロビー資金が作用したのではないかと疑っている。
参考までに、FDP(Federated Data Platform) はNHSのデータ統合プラットフォームだ。
NHSの公式説明によれば、FDPの目標は、NHS組織間のデータを安全かつ柔軟につなぎ、患者治療を改善し、意思決定を支援することだ。
Palantir英国副会長のLouis Mosleyは「批判はイデオロギー的で、患者治療を損なう可能性がある」と述べたが、
だからこそ、こうした中核システムは自国が所有すべきだと思う。
とくに欧州に敵対的な国の企業に任せるのは危険だ。
欧州の大半が米国の技術インフラに依存している。
米国が制裁を課せば欧州の経済が麻痺するレベルであることを示している。
Palantirは米国企業なのでCLOUD Actの適用を受ける。
したがってサーバーの所在地に関係なく、米国の法執行機関が患者データへのアクセスを要求できる。
多くのプロジェクトは顧客インフラ上に導入されて運用される。
私が働いている場所のPalantirシステムもこの構成だ。
Palantirは上場企業として業績圧力が強い。
こうした構造が会社本来の目標を歪める可能性がある。
だがThielは非常に有能で目標志向の強いリーダーなので、株主を刺激しすぎずにプロジェクトを正常化できる可能性がある。
金はすぐ消え、契約企業は無能だ。
職員が特定企業の製品を使いたくないと拒否するなら、それは職務怠慢に近いと思う。
政府が市民のデータを外国の民間企業に渡すなら、それは国民への裏切り行為だと思う。
Palantirという名前自体がすでにそうした疑念を呼び起こす。
PalantirのWikipedia記事を見ると、その象徴性も興味深い。
Outlook、Google Workspace、AWSのようなサービスもすべて企業製品だ。
こうした現実を考えると、単純に「企業利用禁止」では解決しない。