- 2014年には、Pre-seedを100万ドル以下の初期資金として明確に区別できたが、現在では1,000万ドルを超える投資もPre-seedと呼ばれるようになり、Series A以前の段階を示す名称は実質的な意味を失いつつある
- 投資ステージの名称は、企業がその資金で達成しようとする目標よりも、次のラウンドの規模を大きくするためのシグナルとして使われており、大型ラウンドをPre-seedと呼べば、その後さらに大きなSeedラウンドを調達する余地が生まれる
- Precursorは従来、企業価値約2,000万ドル、ラウンド規模400万ドルを上限としてきたが、この基準のために、急成長する初期企業エコシステムのかなりの部分を検討できていないと判断した
- 今後はPre-seed/Seedという名称や創業経験の有無よりも、ゼロから会社をつくる最高の創業者を幅広く検討できるよう、投資機会のトップ・オブ・ファネルを拡大する方針
- AI時代における初期VCの競争力は、持分比率や参入時の価格そのものよりも、各ファンドサイクルのリターンの大半を生み出す年間15〜25社の極端な成功企業の株主名簿に入れる戦略を持っているかにかかっている
2014年におけるPre-seedの定義
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Precursorは、創業者と投資エコシステムがPre-seedを明確に理解できるよう、意図的に狭い定義を採用した
- ラウンド規模は一般に100万ドル以下で、拡大を続けていたSeedラウンドと区別された
- Seed投資家がもはや多くの企業の最初の投資家ではなくなった状況で、プロダクトマーケットフィットと初期のトラクションを獲得し、Seedラウンドを開くための資金として機能した
- 初回起業家が事業上の課題を整理し、より多くの資本を調達する前に起業を経験できる入口だった
- 低い初期企業価値で有能な創業者に投資し、高い初期リスクの見返りを得るビジネスモデルだった
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当時は、プロダクトマーケットフィット以前の段階における小規模投資に実際の市場ギャップがあった
- 初回起業家とシリアル起業家の双方に当てはまる需要だった
- これを基盤に、Precursorは代表的なPre-seed専門VCの1つとしての地位を確立した
Pre-seed範囲の継続的な拡大
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過去10年間で、Pre-seed市場の参加者とラウンド規模は大きく変化した
- 専門投資会社が増えた
- マルチステージVCもPre-seed段階に降りてきた
- Seedで起きたのと同じように、ステージ名称が資金調達側の利害に合わせて使われ始めた
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当初、Pre-seedの上限は100万ドルから200万ドル程度へと徐々に拡大した
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現在では、1,000万ドルを超えるラウンドもPre-seedに分類されるケースが珍しくなくなった
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ラウンド名称は、その資金で行う業務よりも、市場に送るシグナルとより密接に結びつくようになった
- 大型ラウンドをPre-seedと呼べば、その後さらに大きなSeedラウンドを調達できる
小規模な初期投資はなお有効
- 起業初期に少額の資本しか必要としないチームは今も存在し、今後もPrecursorにとって重要な投資対象であり続ける
- こうした小規模な初期ラウンドは、重要な企業が始まる過程でも引き続き中核的な役割を担う
- 問題は、小規模なPre-seedだけを厳密に定義し、それを投資会社のアイデンティティとするやり方が、現在の市場では役割を終えた可能性があることだ
狭い投資範囲が生んだ死角
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Precursorは、次の規模の投資機会を比較的うまく捉えている
- Pre-seedで100万〜200万ドルを調達する企業
- Seedで300万〜400万ドルを調達する企業
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一方で、歴史的にファンドの投資範囲外だった高い価格と大型ラウンドで資金を調達する企業エコシステムが急速に成長している
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既存の投資基準はおおむね次のようなものだった
- 企業価値の上限は約2,000万ドル
- ラウンド規模の上限は約400万ドル
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この制約は、現在の市場で生まれている最高の新興企業全体を見ようとする目標と合わなくなっている
投資戦略より先に検討範囲を拡大
- 今後は、ラウンドがPre-seedかSeedかに関係なく、ゼロから会社をつくる最高の創業者を検討する
- 初回起業家とシリアル起業家の両方を対象とする
- 実際の最終的な投資対象が大きく変わるかは定かではないが、評価するトップ・オブ・ファネルは確実に広がる
- PrecursorはすでにPre-seedとSeed、初回起業家とシリアル起業家の双方に投資してきており、対外メッセージと業務の進め方を実際の活動と現在の市場に合わせて更新する必要がある
VC業界全体の戦略再検討
- 多くのVCが前例のない変化と混乱を経験し、自らの戦略とエコシステム内での役割を再検討している
- これはPrecursorだけの問題ではなく、真剣に取り組むほとんどの投資会社が同様の点検を進めている
- 根本的な問いは、AI時代は本当に以前とは違うのかに収れんする
- 2021年にも「今回は違う」と判断した人々がいたが、結果的にはそうではなかった
初期VCが改めて答えるべき3つの問い
- 初期投資で確保する持分比率が今も重要なのか、目標持分比率を守ることに価値があるのかを判断する必要がある
- 投資参入時の価格が全体の収益構造にどれほど重要かを評価する必要がある
- 毎年、極端な成功企業となる上位15〜25社に投資できるのか、できないのであればVC事業を続ける理由は何かに答える必要がある
初期VCの競争力を決める基準
- 初期VCの中核業務は、ファンドサイクルごとのリターンの大半を生み出す少数企業の株主名簿に入る可能性を高めるモデルを構築することだ
- そうした企業に投資する現実的な機会を提供できない戦略であれば、現在の市場では競争力が不足している可能性がある
- Pre-seedやSeedのようなステージ名称が変わっても、最高の企業に合理的な条件で参加しなければならないという初期投資の経済原則は維持される
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