都市と野心
(maily.so)都市は、何百通りもの微妙なやり方でメッセージを送ってくる。驚くべきなのは、そのメッセージが都市ごとにまったく異なることだ。- ニューヨーク:もっと金を稼がなければならない。- ボストン:もっと賢くならなければならない。- シリコンバレー:偉大なものを作り、もっと影響力のある人間にならなければならない。- パリ:もっとスタイリッシュでなければならない。
都市は、窓の外に見える光景や、ふと耳に入る会話を通じて、まるで偶然のようにあなたへメッセージを送ってくる。シリコンバレーに引っ越した友人が、そこに住んでいていちばん気に入らないのは、小耳にはさむ会話のレベルがいまひとつなことだと言っていたことがある。当時は、ずいぶん風変わりなことを言うものだと思ったが、今ではわかる。日常で耳に入る会話こそが、自分がどんな人たちのあいだで暮らしているのかを物語っているのだ。
どれほど意志が強くても、周囲の人たちから影響を受けずにいるのは簡単ではない。自分にとっては大切なことでも、まわりの誰一人としてそれを気にかけていなければ、やる気はくじかれてしまうものだ。
美術や文学、ITのような分野では、環境はさらに重要に働く。周囲の人たちが自分のしていることを重要だと思ってくれているという感覚が意欲を刺激し、また同じような種類の人々を見つけるうえで、都市の規模と構造が役に立つからだ。
自分が何をしたいのかがまだはっきりしていないなら、若いうちにいろいろな場所で暮らしてみるのがいちばん無難だろう。都市がどんなメッセージを送っているのかは、実際に住んでみなければわからない。あちこちで実際に暮らし、違うと思えばそこを離れる。その試行錯誤を通じてしか、どこに住むべきかは決められないのだ。そして本当に家のように感じられる場所を見つけたとき、はじめて自分がどんな種類の野心を持っているのかに気づけるのだろう。
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いちばん好きなニュースレターの一つであるジョンヒョンさんのニュースレターを通じて、ポール・グレアムが「都市と野心」というテーマで書いた文章を読みました。美しい文体と明晰な思考に引き込まれ、心に残った文章を持ってきました。
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